生きる力を育てる姿勢育て|考えていること|作業療法士 野村寿子

2014.03.10 / column

生きる力を育てる姿勢育て
歩き始めた頃の子どもの姿勢と私たち大人の姿勢はどこが違うのでしょうか?歩き始めた頃の子供の姿勢は、胸が前を向いていて腕が体の横にあり、頭は首の上に軽く保つことができています。幼い頃の私たちは最も負担の少ないバランスの良い姿勢で実に機能的に発達していました。なぜなら、そのバランスを身につけた時に子どもは座ることができ、立って歩くことができるからです。ジャングルジムに登ったり滑り台を滑ったり、ブランコをしたり、体を動かす子供の遊びの多くが、胸を前に向けて背筋を伸ばす動作です。様々な活動を繰り返しながら子どもは自分の体を支えることと動かすこと、それに最適な姿勢を身につけていきます。
そうやって身につけてきた重心のバランスのとれた姿勢が崩れていくのはいつからでしょう?伸ばす姿勢より丸まる姿勢が多くなる時期つまり長時間の勉強を始める時期なのです。最近ではもっと早くから長時間のゲームをする子どもが増えているので、猫背の始まる時期はどんどん下がっていると言うことができるでしょう。
では姿勢が悪いと何がいけないのでしょうか?疲れやすい、呼吸が浅くなる、頭がスッキリせず集中力が乏しくなる、目が悪くなる、動作がぎこちない等、身体運動的な不具合を引き起こします。悪い姿勢では肋骨が下がり内蔵が圧迫され、呼吸のために必要な横隔膜や肋間筋の働きは低下します。また、重い頭が前に垂れた状態では首の血管の収縮が妨げられるため、血流量が低下するなどその因果関係は明らかです。
さらに私がここでご紹介したいのは、姿勢が多くの感覚や経験の基礎となっているということです。30年間私は作業療法士として体に障害を持つ方の生活と関わってきました。そして姿勢がうまく取れないことが、豊かに成長するために必要な様々な環境の情報をキャッチすることを妨げてしまうということに気づきました。目、耳、鼻、口、私たちが生活を楽しむための情報の多くは、顔についている器官から受け取ります。頭が前に垂れているとその情報を受け取ることが難しくなってしまうのです。
ピントキッズを使った姿勢育ては、運動と感覚をいっぱい使って環境と豊かに関わる力、つまり子どもの生きる力を育てることにつながります。


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