2013.09.19 / Thinking

見上げる・うなずく

体の動きは、いくつもの筋肉と関節が連続して動くことで成り立っています。
野球選手のバッティングフォームがひとりひとり違うことをイメージしてみてください。
同じことをする時にも、どの筋肉を主にどのような関節の角度で使うかは人によって様々で、
その日の調子によっても違っています。そしてその無理な使い方によって疲れや痛みは起こってきます。
日常の生活動作の中で、出来るだけ無理のない動きを実現するためには、
動き始めの関節を正しく使うことが大切です。
例えば、見上げる動作は頭の骨と首の一番目の骨との間で行われる動きですが、
頭が最初から前に出すぎていると、一番上の関節を動かす筋肉はたるんでしまって働くことができません。
あるいは頭が習慣的に前にある場合には、首の筋肉が硬くなってしまってうまく使えない場合もあります。
どちらの場合も、機能しにくい首の筋肉を補うために、
肩や背中の筋肉が頭の重さを引っ張って支え続けることになります。
空を見上げた時や上の物を取ろうとした時などに、
首や肩に詰まったような痛みやだるさを感じたことはありませんか?
これは、見上げる動作の時に本来使わなくてもいい首の根元や
肩の筋肉を無理に使って動かそうとしたことによって起る違和感なのです。
うなずく動きも同じ関節の動きです。
軽く頭を保つ事ができた状態からスタートすれば重力の力を借りて少しの運動でできるのですが、
頭を保つために首周りの筋肉に最初から負荷のかかった状態からスタートすると
さらにそこから首を曲げるという本来必要のない運動が加算されることになり、疲れの原因となってしまいます。
小さい関節を効率的に動かすことができると体全体の負担を減らすことができるのです。

 


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