2013.11.24 / Thinking

乗り物に乗る

一番上の頭が重くて、バランスの悪い構造をした私たちの体は、常にわずかに揺れながら姿勢を保っています。
静止している時でも非対称に配置された内臓は動いていますし、肺も肋骨もそれぞれの方向に動いています。
そして周りの音や空気の流れに対しても常に体は反応しています。
また、私たちの体は、骨の形も筋肉も皮膚の表面も全て曲面でできています。これに対してたいていの場合、
床や椅子は平面でできているので、活動しながら姿勢を保つためには、
常に抗重力筋による調整機能が働かなければなりません。
そのような体が、生活の中で様々な乗り物に乗ることを想像してみてください。
外から受ける予測できない動きに対して、
抗重力筋はさらに緊張して収縮し続けなければならないということがわかります。
これが、新幹線や飛行機で移動するだけで疲れてしまう理由です。
新幹線の中で行った自律神経の測定実験では、ピントを使うことによって副交感神経が高まり、
交感神経と副交感神経のバランスが整うという結果が見られました。
不安定な状態では体に負担となっていた揺れが、揺れた時に中心に戻ることのできる手がかりを得ると、
自分の軸を確かめ姿勢調整機能を高める為の運動場所として有効活用することができるようになります。


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