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エコロジカル2009年度研修会

「心地よさから始めるリハビリテーション
~エコロジカルセラピーの技術~」

講師:野村寿子  作業療法士・エコロジカルセラピー研究所代表

作業療法士になって最初の16年間、私は肢体不自由児の通園施設で作業療法を行っていました。私のテーマは遊びの中で育つという子どもの自然な発達を作業療法士として実現することで、「遊びを育てる (協同医書出版社)」という本を書きました。座位保持装置を作る仕事を始めた今、当時の写真を見直してみると、遊びの中で発達するそのポイントは、さりげなく活動に適した姿勢を提供してあげることだったということがわかってきました。つまり発達のポイントは、「遊び(活動)と姿勢」だということです。その根拠と技術を最近の研究成果をもとに、紹介するとともにできるだけ体感していただく研修会にしたいと思います。

日時  2010年1月30日(土) 13:30~16:30
会場  みのお市民活動センター多目的室

参加者の感想:

2010年1月30日午後1時半~4時半の間、みのお市民活動センター・多目的室にて研修会が行われました。「姿勢から考えるリハビリテーション ~その技術と理論~」というテーマで、エコロジカルセラピー研究所の代表でもある野村先生を講師に、講義と実技(実験?)が行われ、リハビリや支援学校に携わる方など多くの方にご参加いただきました。
 講義では姿勢について改めて自分の考え方を見直す機会となりました。よい姿勢とはどんな姿勢なのか?今まで左右対称が良い姿勢といった考えが自分の中に漠然とありましたが、日常の動きの中では左右対称の姿勢でいることはほとんどありません。
・バランスが崩れた状態でいかに姿勢を保つのか?
・体のどの部分を保持してどの部分を動かすのか?
・体の構造自体が非対称である(頭と同じ重さの肝臓は体の右側にある)などなど
改めて見直してみると当たり前のことばかりなのですが、これらのことを繋げて考えることはあまり無かったように思います。まさに目から鱗でした。
 研修会の後半では一人の被験者を招き、採型機を用いて座位姿勢の型取りが行われました。快適な姿勢の前後では何がどう変わるのか?具体的に数値化して検証するために実験の前後で身長・脚長・座位の座圧の計測と、立位姿勢を正面・左右から写真撮影を行い、型取りの前後での比較を試みました。
 その結果…身長は+2㎝、座圧は左右の坐骨により均等に圧がかかるようになっていました。何故、身長がこんなにも伸びたのか!?会場は驚きでいっぱいでした。
 採型前後の写真を見比べると、脊柱の前後の彎曲程度が少なくなり、上方に伸びているような印象を受けます。被験者本人からも「体が軽くなった」との声が聞かれ、頭部・脊柱・骨盤・股関節など重みのかかる各関節のバランスを整えることで体の一部分に加わる重圧が減少し、体の重みが取れたように感じるのではないかと思われます。
 普段、自分たちが当たり前に感じていることを客観的に示すことは難しく感じますが、エコロジカルの活動を通じて何故このような現象が起きているのか?今後も具体的に検証していきたいと思います。