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人と環境との相互作用 スヌーズレン体験型研修会より

多重な感覚空間とは

人はそれぞれ固有の落ち着く感覚を持っています。障害を持つ子どものそれは時として理解しがたく共有しにくいことがあり、それが彼らの対人関係や社会生活の難しさにつながってしまいます。しかし、障害を持つ子どもにとっても私たちにとっても、心地よいという感覚は特殊なものではありません。キラキラと輝く光、どこからか香る匂い、どこかなつかしいような適度な揺らぎ、自分のペースを取り戻すことのできるようなリズムやメロディー等 人それぞれ好みの感覚は違っていてもどれも原初的な共通に理解することのできる感覚なのです。スヌーズレンの空間の中には人が心地よいと感じる様々な感覚が散りばめられています。

人はそれぞれ自分が心地よいと思う感覚においてとても素直です
苦手な環境の中では、行動を起こす前に身構え、少しの刺激に対しても過敏に反応してしまい、環境に対する不適応行動を起こしやすくなります。スヌーズレンは自分の好きな感覚情報を見つけ、その感覚に包まれて過ごすこと常に認められる空間です。心地よい安心感の中で子どもは心を開きこちらの働きかけにも興味を示しやすい素地を育み、結果的にコミュニケーションがとりやすくなります。
発見のつながりの中で自分が今まで気づかなかった感覚に触れることができます
バブルチューブで受け取ることのできるのは光の色、泡の動き(視覚)泡の動きが伝える振動(触覚)パイプに耳を当てたときに聞こえる水の音(聴覚)など様々な感覚情報を同時に持ち合わせています。最初見て楽しむことしかできなかった子供でも、繰り返し好きなものに関わる経過の中で、触ること聞くことなど他の情報に気づき始めます。 
見るもの聞くもの触るものがあれば安心してその場に居られることに気づきます
重度の肢体不自由の方の筋緊張が、スヌーズレンの部屋の中では緩むという報告があります。そこに何も無い空間なら、何か興味のあるものを探そうとして緊張を高めてしまいます。しかし無理に見ようとしなくても見るものがそこにあり、心地よい音楽が耳に届きバブルチューブの振動が床から体にかすかに響く。スヌーズレンの感覚情報のちりばめられた空間の中では無理に緊張することなく自分のほしい感覚を受け取ることができるのです。
出入り自由な空間では「もうちょっと」「もう大丈夫」の感覚を確かめることができます
リラックスするということはそれだけが目的となることもありますが、リラックスして元気になってまた次の課題をがんばりたい時に用いる場合もあります。日常の活動に気が向かない時、イライラして活動に集中できない時、自分自身でクールダウンが必要だと感じた時、自由に出入りできるリセットの空間としても有効に活用することができます。

パニックを起こさなくてもすんだ自分 外のものに働きかけることができた自分 自分の心地よいと思うものを認められて共感してもらえたこと 他者とつながった感覚 誰に教えられたわけでもない自分自身で獲得したこれらの事がらは、子どもの自信となりプライドを持って生きていく力となります。療育者にとっても共にスヌーズレンの部屋で過ごすことで子どもの理解と大丈夫という安心感を持って子どもと接することにつながります。