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エコロジカルセラピー最近の研究より 〰定位のシステムと知覚行為循環〰

第42回日本作業療法学会にて(株)ピーエーエス 作業療法士が発表しました

「見たい」「聞きたい」!! 参加したい!! おもしろい!!

本研究は、症例が当社座位保持装置を使用し、1年6ヶ月経過した時点での変化の根拠を検証するために行う。
キスシュミレータにて行った採型をCAD-CAMシステムによりデータ化し、2回のデータを比較し、1年6か月間の姿勢と運動の変化について考察し以下に示す。
背と座の角度の向上、接触支持面の増加、外転角の広がりはそれぞれが相互的に影響を与えている。左右対称な臀部への荷重は左股関節への負担を軽減し股関節の可動域の拡大を助ける。股関節の可動域が広がる事で、体幹をより起こしやすくなる。体幹が起きると、臀部での左右対称な荷重が促される。 これら姿勢の変化に伴い、身体を使った運動の機会、机上活動の機会が増え、これらの効果を高めている。
また、安定して座れる座位保持装置導入以降、生活環境の変化に伴い情緒面が大きく変化した。表情が豊かになり声のする方向へ目を向ける状況に対して担任教諭をはじめ、周囲の大人が声をかけるようになっていった。
それらが、前方への意識を高め、「見たい」「聞きたい」と積極的に情報を得ようとする行為の結果、腹部の筋の働きを促し体を起こすことへ繋がっている。 このようにシーティングセラピーでは解剖学的・運動学的な変化を引き起こすだけでなく、担任教諭や両親の働きかけ、つまり症例を取り巻く環境の変化、授業内容や参加の仕方の変化といった作業活動の質にまで変化を及ぼすものであることが分かった。
これはまさに人と環境と作業の交わるところに変化をもたらすという作業療法の本質的な効果であると考える。